LOTUS

宝塚が好きです。

今更「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」の感想②

「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」の感想、シャーロットの話が長くなったので、分けました。

シャーロットは可愛い。けど、ちょっと変わってる。

シャーロット(役:華 優希ちゃん)かわいい!
幼少シャーロットの都姫ここちゃん(9歳)→美羽愛ちゃん(11歳)の成長もかわいい。衣装や髪型も好きです。
華ちゃんシャーロットも可憐で純粋でかわいらしく、エリュが好きになってしまうのもわかる。

でもちょっと変わってる。

妖精さんを信じている、あの庭が恋しい、女性だけど自分で仕事をしたい、それはいいです。

でも授業中に妖精の絵を描いてたらだめだよ(笑)
そりゃ先生も怒りますし、それはラクガキですよ。
同級生から「シャーロットってちょっと変わっているわね」とか言われてしまうのもわかる気がします。

「なんて強情な子!」と言いたくなる気持ちもわかります

父、エドモンド・ウィールドン子爵(役:紅羽 真希さん)が再婚した相手のイヴリン(役:真鳳 つぐみさん)はシャーロットとうまくいっていないように描かれています。
それだけ見ると意地悪な継母という感じぴったりなイヴリンさん。これまでのおとぎ話において、「ヒロインは継母にいじめられるもの」というような偏見が確かに自分の中に存在するなと思いました(シンデレラとか白雪姫とか……)。

イヴリンはいつまでも喪服を着ているシャーロットに対し、「年頃の娘は着飾って笑顔を振りまくものよ、こんなことではいい縁談が来ないわ」と言います。
シャーロットの身を案じているからこその発言であると思いますが、シャーロットは「あなたの言いなりにはならないわ!」と返します。

思春期というか反抗期というか、まあ若い頃は親の優しさとかわからないものですよね。
特にシャーロットは実母のフローレンス・ウィールドン夫人(役:城妃 美伶さん)を忘れられない、忘れたくない。
家柄、体面、財産、結婚の話をするイヴリンと、思い出の中でお花に囲まれて絵を描いている実母のフローレンス。
現実を突き付けてくるイヴリンは自分にとって受け入れられない存在だとシャーロットが思うのも無理はないでしょう。

義母イヴリンは意地悪な継母ではない

その後、エドモンドとイヴリンは結婚相手としてギルバート・カーライル(役:羽立 光来さん)という事業家をシャーロットに紹介します。
案の定シャーロットは「会ったこともない方と結婚なんて」と嫌がります。

また羽立さんギルバートの役作りがなんだか鼻持ちならない、どうにもうさんくさい金持ちっぽくて(笑)、それも相まって、これはシャーロットかわいそう……と思ってしまったりもしましたが。

そもそもこの時代は、自由恋愛で相手を決めて好きな人と結婚するみたいな風潮ではなかったはずですし、イヴリンも「(会ったことのない相手と結婚することは)上流社会の常識です」と言っています。
ウィールドン家は時代の変化に伴い、貴族という身分だけでは暮らしていけず、娘を財産のある家に嫁がせることで家を保つということ考えていたようですし、それ自体はこの時代においては普通の考え方だったと思います。

イヴリンの「大人になるのよ、シャーロット」という台詞はとても真剣なものでしたし、シャーロットのため、家族のため、将来のためを思って言っているのだろうことが伝わってきました。
結婚を勧めるのも、いい結婚ができるようにあれこれ口を出してくるのも決して意地悪なんかではなかったんですよね。

ギルバートとの結婚生活

シャーロットはギルバートと結婚しますが、予想通りというか、やはり夫婦関係がうまくいっていない(笑)

ギルバートが若い女(娼婦?)を家に呼びいちゃついているのを見て、言い合いになるシーン。

シャーロット「あなたが何をなさろうと、私には関係ありません」
ギルバート「もともと頑固で可愛げのない女だと思っていたが」
シャーロット「あなたが私に求婚なさったのは貴族の称号が欲しかった、それだけ」「私はお金で買われたんです。あなたを愛したことなど一度もありません」

……そんなこと言ったら怒ると思いません?

お互いいろいろ言ってますが、ギルバートさんは「頑固!可愛げがない!」って言ってるのに対し、シャーロットは結構酷いこと言ってます(笑)

個人的な見解ですが、たとえ貴族という家柄目当ての結婚だったとはいえ、ギルバートも結婚当初はシャーロットに優しくしたり、できるだけいい関係を築こうとしていたり、努力はしていたのではないかと思います。

ところがシャーロットは、これが本意ではない結婚であることからどうしても納得できず、ギルバートに対しても頑なな態度を取り続けていたのではないかと思います(これまでのシャーロットの態度から、とても想像ができます)。
それでギルバートも次第にシャーロットに愛想を尽かしていき……ということだったのではないかと思います。

そしてシャーロットは、ギルバートが運営している工場に対しても「休む間もなく騒音を出し続ける」「煙で町中はすすだらけ、まともに息もできない」と言います。

……そんなこと言ったら怒ると思いません??

この工場が環境汚染をもたらしているだろうことはわかりますしそれ自体はいいことではないですが、自分が成した事業に対してそんなこと言われたら、ギルバートさんがカッとなってしまうのもわからなくもないです(それでも暴力はだめですが!)。

きっと自分の信じたものを曲げたり自分の気持ちに嘘をついたりすることが苦手だったんでしょうね。
とはいえもうすこーし折れることができていたら、いろいろなことがもうすこーし上手くいっていたんではないかな〜とも思います。


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